地球上では、温暖化や異常気象の影響で熱波や洪水、干ばつなどの現象が頻発しており、いま世界が新型コロナウィルス感染症に見舞われる事態となっています。日本国内では少子高齢化や過疎により、空き家・空き店舗や耕作放棄地・放置林が増加し、伝統行事や清掃などの共同活動の維持が困難になっている状況下でこの事態と向き合わねばならないのです。我々の生きる時代においては、これらの地域や国際社会が抱える課題、そして予測し難い新たな問題を同時に解決していかなければなりません。
環境システム学科の教育は、国連が定めた世界各国の共通目標であるSDGsの達成に寄与しつつ、学科独自の「SDGs」(S:サービスラーニング、D:デザイン思考、G:グリーンインフラ・エンジニアリング、s:システム思考)を基本方針として掲げることで、このような地域社会および国際社会の課題解決のための手法を学ぶ場や機会を数多く提供しています。
本学科では、「人」「自然」「建築」「まち」を結びつけ、より適正な“環境システム”として統合的に制御・管理できる人材育成を目標とし、実社会で通用する実践的な技術を修得し、プランニングやデザインの能力を向上させる教育を行います。そのために、講義と演習・実習の組み合わせにより、学生自身が学びの意味を見いだし、理論と実践を繰り返し学んでいくカリキュラムを編成しています。また、外国におけるコミュニケーション能力・表現能力を養うため、英語での授業を多数用意しています。学科を構成する専門分野は、設計・構造・設備・施工などの建築系、プランニング・土地利用・防災などの都市・地域系、およびこれらを包含するエネルギー・資源・国際開発工学などの環境システム、そしてデータサイエンスによって社会の様態を把捉する社会システム科学など複数の専門分野で構成しています。これらの専門分野を縦糸に、学部で学ぶシステム工学教育を横糸とし、繊細な織物を紡ぐようにこれらを組み合わせて学ぶことで、時代の変化に適応できる知識やスキルを身につけることができます。
環境システム学科が育てたい人材は、既成の職能にとどまりません。専門家や市民など異なる能力や立場の人々をつなぎ合わせ、固定観念にとらわれず、新たな価値観を生み出す意欲と高い志をもつクリエーターです。具体的には、人びとの振る舞いを常に新鮮な眼差しで見つめ、 多種多様な技術を適正に組み合わせ、闊達で居心地の良い空間やコミュニティをわかりやすく論理的に提案できるデザイナーであり、トータルプランナーであり、創造的な仕事をする技術者や公務員などです。
システム理工学部総合型選抜では、上記の環境システム学科の教育内容や特色を理解した上で、地域課題や国際社会の課題に積極的に立ち向かい、具体的で魅力的な解決策を打ち立てデザインする意欲に溢れた人材を求めます。 特にSDGsに関する活動実績(地域や国際社会の持続可能な発展に貢献する活動、住民や外国人との協働活動、建築・まちづくり・環境保全に係る設計や提案活動など)を持つ人材を募集します。
「求める人物像」に基づき、以下の試験により多面的・総合的に評価します。
国連が定めたSDGsの17の目標と具体的な地域課題の関連について問います。
自己推薦書に記入した自己アピール(志望動機、入学後のプラン、将来のビジョン、SDGsに関する活動実績など)を、プレゼンテーションしてもらいます。伝達発表内容、伝達表現能力、資料作成能力などを評価します。発表は、受験者が事前に用意した発表資料(パワーポイントもしくはPDFにまとめたもの)を基にPCを使って行います。資料を表示するプロジェクターや機器は大学が用意します。
パワーポイントもしくはPDFのページ数は、10分でプレゼンテーションできる範囲としてください。その他発表に必要な資料(模型、書物、各種紙媒体資料など)は写真撮影もしくはスキャニングし、上記のパワーポイントもしくは PDFのページに含めてください。
プレゼンテーション資料は以下の要領で提出してください。
小論文およびプレゼンテーションに関する質問、および選考の評価ポイントが判断できるような内容の質問を行います。
a. 小論文では、出題されたテーマに対して、指定された時間内でまとめあげ、文章化してもらいます。論理的思考能力、文章表現能力などを評価します。
試験科目 | 試験時間 |
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小論文 | 10:00~11:00 |
休憩 | 11:00~12:30 |
プレゼンテーション | 12:30より順次 |
面接 |